自然治癒力を引き出す犬育て。
DCCAの茂木友美です。
4本足で歩く犬は、歩けなくなると老化が進みます!
そんなことにならないように。知っておいた方がいい足腰の疾患を集めてみました。
犬の足腰5疾患
膝蓋骨脱臼(パテラ) ・・・後ろ脚の膝の皿が内側にずれる症状です。先天性が多いといわれます。時々スキップをするように歩いたり、4本脚で立たずに後ろの片足だけ浮かせていたりしたら、もしかしたらパテラの初期症状かもしれません。そのうち3本脚で歩いたり、ジャンプや走ることができなくなると症状が進んでいることになります。
股関節形成不全・・・股関節の形成異常によるもので先天性がほとんどです。モンローウォーク、階段の上り下りが苦手だったり、散歩中に止まると座ったり伏せたりして休む犬、座り方が変な犬、ジャンプしたり飛び降りるのが苦手な犬なんかはこの疾患の可能性があります。普段の生活では問題が出なくても、軟骨がぶつかりあい痛みが生じてしまうので、激しい運動は控えた方がいいです。
椎間板ヘルニア・・・激しい運動や負担のかかる動作を繰り返すことにより、神経が圧迫され突然痛みが出る疾患。背中だけだと思われる方もいますが、首にも起こります。背中や首を触られるのを嫌がったり、あまり動きたがらなくなり、後ろ足をひきずることもあります。
レッグテルペス・・・股関節の骨の一部が溶ける疾患。遺伝的要因が強いといわれています。片足を引きずったり庇いながら歩いたりします。進行すると足が痩せて細くなってきます。
突発性多発性関節炎・・・複数の関節が同時に痛くなる疾患。免疫異常が原因といわれています。足を庇って歩いたり、関節の腫れ、痛みで動かなくなるなどの症状が見られます。
疾患を予防する方法
何よりも太らせないことが重要です。
太っていることをかわいいと思う方もいますが、それは違います。
肥満はさまざまな意味でリスクを高くします。
病気を引き起こしたり、寿命を縮めるだけではなく、多大なストレスを抱えさせることになっているのです。
まずは、そのことを理解してください。
かわいいから、
欲しがるのにあげないのはかわいそうだからすこしだけ、
という自分のきもちを満たすために食べ物を分け与えることは愛情ではありません。
このひとつまみが愛犬の寿命を縮めているんだと思ったら、かわいそうなど思えるはずがないんですよね。
愛犬が太っている方は自己満足のために犬を飼っているということです。
危機感を感じ、ダイエットを始めようとするときのポイントは
食べ物の管理だけではありません。環境全体をみていく必要があることを覚えておいてくださいね。
具体的なポイント
理想体型を維持すること。
普段の生活でジャンプや階段を降りるなどの負担のかかる行動を常にさせないこと。
散歩で坂道を見つけたら一緒に登ること。
プールや水の中、砂浜があったら遊ばせてあげること。
ほんの少し気をつけてあげるだけで関節疾患は防ぐことができるんです。
健康寿命を延ばし、楽しく過ごす秘訣は
太らせずに標準より少し痩せ気味くらいの体型を維持すること。
標準ではなくて少し痩せ気味がいいというのは、この関節疾患を予防するのにとても大切だからです。
この体型を維持するには、ごはんを少なくしなくちゃならないのと心配になってしまった方、
そんな必要はありません。お腹いっぱい食べさせてあげながら体型を維持する方法はあります。
それは手作りごはんにすること。
量も増えるし精神的にも満たしてあげられますよ。
※先天性と遺伝的、という言葉を使いましたが、先天性とは生まれつき持っていた要因のことを意味しますが、遺伝ではありません。
犬との生活で疑問が出てきた時は自分を見つめ直す時。なんとなくいつもと違う感じを覚えた時は直感を信じてください。
ご愛犬の健康寿命を延ばして幸せな生活を送れるように願っております。 茂木友美