自然治癒力を引き出す犬育て。
DCCAの茂木友美です。
医者にもわからないことってあります。そんなことが愛犬に起こった時。どうしますか?
出逢うまでの背景が全くわからない
ふくるとの出会いについてはすでに書いてあるので割愛しますが、
ふくるのように過酷な環境が想像上の背景にある場合、やはり心のトラウマだけではなく、
身体自体がある種の防衛本能が働いていること(医学で説明できない何か)があると、私は思うんです。
これは全く根拠のない話なので、つっこまないで読んでいただきたいのですが、
例えば、箱入り娘で育ってきた方が突然、何もかも失って世間にたった一人放り出された場合、
絶望の中その環境に馴染むべく奮闘しながら生きていくと思うんです。
でも、生まれた時からその絶望の中のような環境にいた場合、
自然とそれが当たり前のように、そこで生きてく術を身につけていくのではないでしょうか。(例えが下手すぎて申し訳ない。)
過酷な環境で生きてく術を身につけた人は、何不自由のない新しい生活を手に入れた時、きっと戸惑うでしょう。
これを犬に当てはめます。
ふくるの身体は過酷な環境で生きていくためにその術を身につけたけど、その術を使わずにすむ環境になった時、
どうしたらいいのかわからなくなったんだと思います。
ふくるについて。
ふくるもあくびもるちあも同じく譲渡していただいた犬ではありますが、ふくるは他の2頭と「背景の環境」が違いました。
私は、犬の過去に同情したり保護犬というくくりは好きではありません。
どんな経緯があろうが、みんな現在幸せだからです。ですが、背景を知ることは、その犬のケアをしていく上では重要になってくると思うんです。
ふくるは性格的な部分はここでは省きますが、その背景から、譲渡される前はいわゆる栄養失調でもちろんお腹には虫もいました。
譲渡後も下痢を繰り返しましたが、あくびと比べると繊細さにかけるというか、逆にずいぶん限界まで対応する身体だな、と思って私は見ています。
これがどういうことかというと、そう、過去の背景の環境によって生きていくために身体が身につけた防御能力なのではないかと。
そしてこれはよくはないですよね。当協会の行っている活動は真に健康的な身体を作り犬が犬らしく生きることを願っているのですから、この劣悪な環境に対応できる身体は決して良いものではありません。
そんなふくるとかれこれ8年生活しています。股関節形成不全であるふくるのサポートはずっとしていきますが、ふくるの身体の中のことでは、8歳になった今でも一番驚くミラクルです。
ここからお伝えする中で写真も添付していきますが、血が苦手な人は最後の写真は見ないようにしてください。
ふくるに起きた症状
ふくるは、4歳を迎えてすぐに左目の下がぷっくり腫れてくる症状が出始めました。
最初の病院では鼻涙管が狭くなっているから、とその対処法を教えてくれました。
その方法でケアをしていましたが完全によくなることはなく、4歳の頃から常に左目の下が腫れている日々を送っていました。
その腫れの大きさはその時によって変わり、硬さも違っていました。
その症状で3軒の病院をまわり、どの医師からもはっきりと病名が告げられることはなく、鼻涙管の狭窄だと思うけどこんなに腫れる症例は見たことがないし、本犬も全く気にしていないし、中の液体を調べても悪いものではないから、飼い主が見た目を気にしないでいられるのなら様子見でいいのでは?との医師たちの見解はどこも同じ。
悪性ではないことには安心はしましたが、症状が出ることには必ず原因があると考える私は、常に頭の中でどうしてあげたらいいのだろうと悩んでいました。
数々のアプローチと決断
そこで自分でケアを考えていくことにしました。大体3ヶ月から半年様子を見ながらそのアプローチを続け、効果が見られないなら次のアプローチ方法を考えるという日々。
ですが、残念なことになかなか完治することはなく、眼科医への紹介してもらい、鼻涙管狭窄そのものを外科手術で行うという医師の提案を受け入れるしかないか?と考え始めていました。
そこで私の出した結論は、6歳の誕生日までに症状が緩和されていなかったら・・・というタイムリミットを自分自身で設けました。
なぜ6歳だったか。全身麻酔に抵抗があったため、あまり高齢になってからでは嫌だったからです。
6歳の誕生日まであと3日。
病院嫌いなふくるにまた辛い想いをさせてしまうな・・・と覚悟を決めかけていたその日の朝、いつものようにマッサージをしていたら、ぶにゅっという感触とともに腫れがなくなりました。なんていうミラクル!
と喜んでいられたのもたったの2ヶ月。また腫れ始めました。
ですが、私のアプローチもまんざら間違えではなかった、と確信しました。
その時していたケアは、食事にハーブをプラス(レッドクローバー・ダンデライオン・ネトル)、全身マッサージと肛門腺絞りを毎日することで身体に老廃物を一切溜めないようにするというものでした。
そしてこの症状を治すための手段の中から「外科手術」という選択肢を消し、4軒目に伺った新しい病院で、医師に同じように腫れについて聞いてみたところ、これがまた意外なほどあっさりと答えを出してくれました。
病名というよりは加齢に伴う症状の一つで、人間でも目の下がぷくっと膨らんでくるよ、40代を超えた男性に多いかな、とわかりやすく教えてくれました。
犬でも7歳を超えると、こんなにひどくはないけど目の下が少し腫れぼったくなる犬はいると。
その言葉にまたヒントをもらうことができました。
過去の背景の環境により、ふくるの身体は他の環境にいた犬よりは加齢が早かったのかな、って考えたのです。
そうするとまた違うアプローチ方法がポンポン浮かんできました。
シニア向けのハーブとケアを試してみたんです。ですが、これは残念なことに何も変わりませんでした。
その次は、この腫れを腫瘍と考えた時のアプローチ。これは硬さでは劇的な改善を示しましたが、柔らかなままでの腫れとしてはなくなることがありませんでした。
3年。その時は突然やってきた。
以後サポートすること約1年。その日は突然やってきました。
いつもと同じ朝の散歩中ふくるが匂い嗅ぎをしながら歩いていて、パッと私の顔を見上げた瞬間、「え?」っていうことが起きていたのです。
見上げたその顔には血が飛び散っており、目は血で開けられていない状態。
慌てて、綺麗な水を顔にかけました。
まだ血は出てくるものの、眼球に何かあったようではなさそうでした。
散歩を切り上げ、帰宅してから洗眼液を作り(ハーブ)、確認してみると腫れていた袋が破裂したのかな?と感じました。
大体腫れが引いても2ヶ月で再発を繰り返してきていたので、また1ヶ月後には腫れ始めるかもしれないと思いながらも、もしかしたら・・・鼻涙管自体が破けて狭くなっていた部分が広がったのかも・・・と信じたくなりました。
そして、その期待は当たっていたと思えるのです。
その後腫れは再発することなく素朴な優しい目のふくるの顔は若々しさを取り戻したままで1年が過ぎようとしています。
写真は、注意してご覧ください。苦手な人は見ないでくださいね。
この不思議な現象は一体
これまで私が対応してきたあくびの症状もるちあの症状も、完治やサポート方法がはっきりとわかるものばかりでした。
ですがふくるの身体に現れるこの症例を始めとするいくつかの症状は、はっきりと病名がつくものではなく、生死に直接関わったり行動の制限をされるようなものではありません。
確実に症状には原因となるものがあり、それが背景の環境による、一言で言ってしまえば体質なのではないでしょうか。
このミラクルが起こる前にしていたアプローチは体質改善でした。
これは、あくびの時に数年かけて成功しています。ふくるの身体には原因のわからない事象がたびたび訪れます。繰り返し起こっていたことから、その部分だけではなく全体的な体質改善が必要だと考えました。
体質改善は簡単なことではありません。ですが、現在の犬を取り巻く環境には絶対に必要なものだと考えます。
何かほんの少しでも違和感を覚えた時、見逃さず症状に向き合っていこうと思える方が増えることを願っています。
医師にこの写真を見せてもはっきりとした答えは返ってきません。
3年以上この腫れを間近でみてきた私にも、ふくるの身体に何が起こったのかわかりません。
ただ、数年かけてやってきた、症状があるものには必ず原因があるという考えに基づくアプローチの数々は間違えではなかった、ということだと思っています。
疑問を持った時こそ選択を。気になった時こそ自分の直感を信じてくださいね。
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